アーカイブ:2025年 2月 19日

  • 慢性的な痛みの意外な原因は?

    私たちは痛みを感じると、その原因を筋肉や関節、靭帯などの身体的な部位に求めがちです。しかし、実は慢性的な痛みの多くは、脳や神経の働きに問題があることが分かっています。痛みを長引かせているのは、単なる身体の損傷ではなく、脳の誤作動なのです。 慢性痛とは? 痛みが3か月以上続く状態を「慢性痛」と呼びます。これは国際疼痛学会(IASP)でも定義されており、多くの研究により「慢性痛の本質は脳や神経の機能異常である」と明らかになっています。 例えば、膝の痛みを考えてみましょう。最初は靭帯や筋肉、関節の炎症が原因で痛みが生じます。しかし、時間が経つと炎症が治まっているにもかかわらず、痛みだけが続くことがあります。これは、脳が「痛みの記憶」を保持し、刺激がないにもかかわらず痛みを生じさせているためです。 このような現象を「中枢感作」といいます。中枢感作とは、脳や脊髄が痛みを増幅させる状態で、痛みの信号が過剰に処理されることで、通常なら問題にならない刺激でも強い痛みとして感じるようになります。
2025年2月
« 1月   3月 »
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
2425262728  
ページ上部へ戻る