「あがり症」とは、悪いものなのでしょうか?

人前で話をするとき、緊張して頭が真っ白になったり、手や足や声が震えたり、動悸が激しくなり、呼吸が苦しくなることを称して「あがり症」といいます。

今挙げたものも含めて、代表的な症状は以下の通りです。

動悸が激しくなる・顔が赤くなる・目が泳ぐ・表情がこわばる・自然に笑えない・汗が出てしまう・声や手足が震える・どもってしまう・のどが渇くなどあります。

こうした症状は、血液中のノンアドレナリン値が上昇して起こります。
簡単に言うと、自律神経の緊張させる神経である、交感神経が活発に動くことが原因です。

この反応は、不安や恐怖を感じた時に起こる人間の正常反応ですので、当たり前の反応だと思って良いでしょう。

ではなぜこうした反応が起こるのかというと、それは自分を守ろうとする防衛本能が働いているからなのです。

心(脳)は精神的なストレスから自分を守るために、過剰な緊張がかかると、その異常を知らせるために色々なサインを出します。

つまり「あがり症」によるさまざまな身体症状は、すべて防衛本能がもたらした体へのアラームといっていいでしょう。

人前に立つと緊張するのは「恥をかきたくない」「失敗したら自分の評価が下がってしまう」といった感情が要因であることがほとんどです。

人は他人から「好かれたい」「認められたい」「評価されたい」という欲求があるものですから、それが損なわれるかもしれないと感じた瞬間、防衛本能が働くのです。

とはいえ、生まれた時からそうした防衛本能が働くわけではありません。
たとえば小学校時代、クラス発表の時に失敗して笑われたといった自尊心が傷つけられた経験が、防衛本能を働かせます。

そのため、緊張の度合いが人によるのも、過去の経験に由来します。
個々人によって危険と感じるレベルが違うため、極端に緊張してしまう人は危険レベルが低い段階でも防衛本能が働く体になってしまっているのです。

ここまで説明してきたようにあがり症は本能ですから、「あがり症」を悪いものだとネガティブに思わず、逆に今の自分を守るために働いてくれていると思いましょうね。

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