不安の正体
- 2014/9/30
- 私の考え
患者さんからの相談で、「些細なことで不安になってしまいます」という内容をよくお聞きします。
そこで、「いつからそんなに不安感を抱くようになったのですか?」と尋ねると、殆どの方が体調が悪くなってからとお答えになります。
逆に言うと、元気だったころにはそんなに不安を感じてなかったことになります。
じつは、不安感を抱くのには、体調と大きな関連性があるのです。
人間も生き物の中のひとつです。
生き物も、大なり小なりストレスを持って生きています。
空腹に対するストレス、なわばりに対するストレスなど、人間でなくてもストレスはある物です。
その中でも、最大のストレスは、生命の危機に対するストレスです。
元気な時はそんな危機的状況でも、戦うなり、逃げるなりを素早く行動に移すことが出来ます。
では、その生き物が体調不良な時はどうでしょうか?
元気な時と比べて、すぐに反応することが出来ず、行動が遅れてしまいがちになってしまいます。
命の危機が迫っている時に、その行動の遅れは、命取りになりかねません。
そうならないように、不調の時はいつもにも増して、周囲の状況に過敏に反応するようになります。
これは考えてそうなる物ではなく、太古の昔からのDNAだと思ってください。
人間の場合も体調不良の時には、神経過敏になってしまい、更にその上に悲観的な想像までも入ってしまうのです。
(この悲観的な想像は、大脳皮質で起る為、他の生き物には当てはまりません。)
これが不安症のメカニズムなのです。
私の経験でも、体が元気になるのと、不安症が改善するのが同時期に見られることが多々ありました。
心と体は、本当に一致する物です。
当院が、心と体の両面から改善へアプローチしている理由がお分かりになっていただけたでしょうか?